透析液の選択と個人用透析装置

患者さんが選択できないものの一つに「透析液」があります。
透析液には各種ありまして、カルシウム濃度や重炭酸イオン濃度、酢酸含有の有無など違いがあります。しかし、多くの施設では中央から全ベッドに透析液を流す中央管理システムをとっており、全部の患者さんが同じ透析液を使用して透析を受けています。

私は、「適切な透析液は患者さんごとに違うのであるから、専門医が透析液を決定し(処方し)それで透析を行うこと」が理想だと思います。しかし、それには、全台を個人用透析装置にしなくてはならず、経済的な問題から実現困難な面があるのも実情です。

そこで当院では透析液は酢酸が含有していない「カーボスター(味の素医薬カンパニー)」を用います。酢酸には心機能抑制作用や末梢血管拡張作用があるため、透析中の血圧低下原因の一つとも考えられていますが、カーボスター以外の従来の透析液には酢酸が含まれていました。 カーボスターは、初の酢酸を含まない製剤です。

また、個室透析室では個人用透析装置を導入し、その患者にあった透析液を選択できるようにしようと考えています。徐々にはなりますが、個人用透析器の数を増やしていけたらよりよい透析医療ができるでしょう。

おぐら内科・腎クリニックは患者一人一人にあった最善の透析処方実現のため全力を尽くしてまいります。
    おぐら内科・腎クリニック (小山市)     院長  小倉 学