患者さんごとに人生の目標は違う

患者さんごとに人生の目標は違います。
だから、
透析の目標も違うと思います。

近年ハイパフォーマンスメンブレンが流行しています。
ダイアライザーをベーターツーミクログロブリン(β2MGと書きます)の除去性能で5種類(Ⅰ型~Ⅴ型)に分けますが、ハイパフォーマンスメンブレンはそのうち高機能なものです。
Ⅴ型のほうがたくさん診療報酬が取れますので、最近ではほぼすべての膜がⅣ型、Ⅴ型の膜だけをそろえる施設も多いです。

しかし、β2MGの除去性能が高ければ透析中の蛋白漏出が大きくなります。

たとえば、80歳代で透析をはじめた高齢者に、β2MGをたくさん除去する治療を優先することが本当によいのでしょうか?たしかに、β2MGの除去不十分で透析アミロイドーシスになっている透析歴の長い患者さんがいることはありますが、80歳ではじめた透析患者さんの目標はなんでしょうか?
本当に長期合併症を避けることを最優先してよいのでしょうか?

当院で積極的に使用していきたい生体適合性の高いEVAL膜やPMMA膜は
決してβ2MGの除去性能は優れていません。しかし、血圧が安定し、不眠やいらいら、掻痒感(かゆみ)、どす黒い顔などを改善させる効果があると言われます。安定して不定愁訴のない透析こそが特に高齢者に望まれる治療ではないでしょうか。

おぐら内科・腎クリニックでは高齢者には特に生体適合性の高い膜を使用し、
若くたくさん食べられる患者さんには長時間透析を、しかし時間が十分とれない患者さんにはOn-line HDFを積極的に進めていく方針です。それぞれのライフスタイル、何歳までどのように生きたいか、すべてを患者さんと相談しながら最もよい透析処方を行っていきます。

おぐら内科・腎クリニック (栃木県小山市)  小倉 学