アルブミン漏出量を考慮したダイアライザー選択

何度も述べますように、ハイパフォーマンス膜全盛の今日です。β2MGの除去能力でダイアライザーの価格が決まる時代です。V型の高性能膜を否定するわけではありませんが、高齢者を含め全例にハイパフォーマンス膜を選択するのは間違いだと思います。

血清アルブミン値は透析患者さんの生命予後を決める重要な因子であり、その関係性の強さは「耳にタコができるくらい注意される血清リン」よりもずっとずっと大きな因子です。アルブミンが低い人は間違いなく生命予後が悪いのです。

しかし、、、

患者さんのアルブミン値が年々下がっていくことにただ見ているだけの医療者がいます。

せいぜい

「もっと栄養とっていいよ」

のお言葉。。。

その裏で、高齢者に過剰な高性能膜を用いて1回の透析で数gのアルブミンを漏出する(捨てている)ことには何の罪も感じていない。患者さんに説明をしていない。

もちろん、蛋白結合型尿毒素の除去のためにある程度のアルブミンを捨てることは必要なことです。しかし、その患者さんの栄養状態、蛋白摂取を考慮した上での透析処方が必要です。
食事が十分取れる元気な患者さんも、蛋白摂取不十分な高齢者でも、最低限の適切な血清アルブミン値を保てる最大限の努力をしていかなくてはなりません。

「この私のダイヤライザーで1回透析で何gアルブミン抜けてるの?」

この質問に即答できるように、患者さん一人一人に対応した医療を提供できるように、おぐら内科・腎クリニックでは院長、スタッフ全員が日々勉強し、向上していくことを約束します。

透析施設は「透析工場」ではありません。「医者のさじ加減」がもっとも必要な治療現場だと思います。ただし、その成果と違いがでるのは何年かたってからということなのです。

       おぐら内科・腎クリニック(栃木県小山市)   小倉 学